[ 退屈を持て余し、 ちらちらと養父を窺うこと数秒。 足音を潜めて駆け出した少女は 視界の先に壁を伝って外へ出ようと 試みているらしい少年を見た。 ] …そこでなにをしているの?[ 純粋な疑問だった。 外へ行きたいのなら行けばいいのに。 何故態々隠れるのだろうと。 数年も経てば望んでも 自由に外へ出るのを許されなかったからだと 当人に態々聞かずとも解っただろうけれど。 ]