―回想/メリーダウン前/メイン・サロン―
[助けを求めるように、カークにちらりと視線をやるシオメンにつられ自分もその顔を見たが、にやりと笑って知らんぷり。>>46
その顔で、悟った。
(ほらみろ、カークにも同じように思われているんじゃないか。)
どうやら、いい薬だとでも思っているようだ、そのご期待に添うように、もう少し言いたいことを言わせてもらった。]
……僕のことは心配するくせに……
[……自分は二の次ですか?と、続けて言いかけたが、バツが悪そうに謝るシオメン>>2に、フーッと長く息を吐き出して止める。
もう怒ってないよと、口元に少しだけ笑みを浮かべた。
そして病状を聞くや、、もどかしそうに、ぎゅっと眉を潜めて言葉を紡ぐ様子>>3に、ジンワリとお腹の底があったかくなってゆく。
それはおあいこだ。
義足だって知ってたら……、と言ってももう終わってしまったことなのだから。
生きている、そして、また音楽を奏でられる……自分はそれで十分だった。
それ以上に、シオメンがそれ程までに思ってくれることが、不謹慎ながらとてもうれしい。]