[巫女姫の玉音を聞いた兵達は喝采を上げたりはしないものの、胸の裡に熱が漲るのを感じていた。
その熱源は巫女姫への信仰。
それは王都を護る騎士団により顕著だっただろう。
女もまた、この巫女姫の為に戦うのだと、胸に決意を刻む。
親衛隊に随行した騎士団を纏めるのは、副団長たるテオドール・バルディーニ。
彼自身も直属500の兵を率い、隊員達のよき相談相手となっている。
過去に女に学館で学ぶという選択肢を与えたり、隊長職の打診をしたのも彼だった。
>>33巫女姫の命を受け、彼が連れてきた部下に声を掛ける姿を見つめる。
僅かに視線が絡み、力強く頷くのを目にしてそっと安堵の息をつく。]