[唱えると、微かな音を立てて水晶の触媒が砕け散る。それと同時にアイスピックだったものが溶けぬ氷に覆われた。ごく初歩的な、論理魔法による攻撃呪文。次にこのサロンに足を踏み入れる者は、氷砕け散ると同時にアイスピックの刃の洗礼を受けるだろう。さしたる攻撃ではない───ただの挨拶代わりだ。けれど。本来ならば、このような呪は使わぬはずだ。非戦闘員であろうと無差別に攻撃を仕掛ける呪文。そのようなものをシェットラントは本来使わない。けれど]