[ボトルの口より、白く凍り付きながらワインが迸る。剣は軌道を阻むように広がった氷へと突き立ち、それを割り砕いて、なお余力を残していた。掲げた城主の掌に浅く突き立ったところで、ようやく力を失ってバルコニーの床に落ちる。血が、いくらか溢れて零れた。] もったいないことをする。[視線は弟の方に向いていたから、きっとワインのこと。]