[ とん、とん。平らな靴底で軽く叩くと、古いの木の床の板目の合間から、ひょろひょろと緑の芽が伸び出てくる。ノコギリのようなタンポポの葉、ハートを三つ合わせたクローバー。歩くのに合わせて、ぽん、ぽん。ぽん。黄色と白の花がポップコーンのように踝周りに散っていく。ひこひこと鼻をうごめかせて、芽吹いたばかりの葉や花を追い掛け始める焼き立てパン色うさぎを招くように、そのまま店の奥へ。** ]