― 回想・宴の発端 ― >>46
[白々しいなあ、と吸血鬼の言葉を聞きながら、ボウガンの留め金を立てて矢の装填を完了する。
吸血鬼狩りで一番やっちゃあいけないのは、相手の言葉に耳を貸すことだ。
彼らは頭が良い。誘惑の術にも長けている。
人間にはない能力もあって、身体能力も高い。
気を抜けば、狩られるのはこちらなのだ。]
白々しいな。
婦女子への吸血行為が、わかっているだけで8件。
本当はもっとだろ。
やり過ぎたんだよ。多分。
[誘いを無視して狙いをつけ、矢を放つ。
気をつけていたけれど、若干術の効果に掠ったらしい。
放つ瞬間に、ボウガンの狙いが微妙にずれた。*]