― とある異世界、白の間 ―
生きてるといいんですけどね……
[一頻り愚痴を吐いた一柱は、まだ見ぬ召喚者の身を案じ息を吐いた。
不幸中の幸いというべきか、恩恵を与える下地を準備していながら恩恵を与えそびれたために、自分と召喚者の間には“繋がり”ができたままだという。
繋がりへと意識を集中させることで、大体の場所を知ることはできるのだが……]
間に合わなかったら、どうしよう…
[どの世界へ向かうにしろ世界を出るのであれば、門を通らなければならない為、許可が出るまで身動きがとれないのであった。
兄と姉が、持てる手段の全てを用いて“お話”をしてくるそうなので、件の異世界へ行けることは行けるだろうけれど……
先に飛ばされた客人の安否を思うともやもやとしたものが溜まるのであった。**]