──夜の中庭──>>53[穏やかさの内に調えられた土壌で育ち高みへと伸びる木々はここに集う生徒らに似る。大国二つの狭間にある庭、囲われた中立地帯、シュワルべ。] ここを離れるのが寂しくでもなったか?[からかうように笑いかけながら、視線と沈黙が言葉の先を促す。あと二年。その庭で過ごす時間にも、やがて終わりが来る。]