― バザール ―
[ ランプをよく見せる為だろうか、店の中は薄暗い。
導灯のように、テーブルとテーブルの間をつなぐ通路に添って、天井から下がるロープに明かりが光っている。 ]
あ、ランプだけじゃないのか。
んーと、先輩達にと、あと何か……。
[ 何度かテーブルやガラス棚の間を行き来して、丸まった狼が蝋燭を抱え込むようにしている手燭、うさぎが柄に付いた銀の匙、陶器の猫が抱きついている砂時計をレジに運んだ。 ]
これもいいな。んー……
[ 銀に白い狐を透かし彫りした栞、馬を模った水晶のペーパーウェイトを取り上げる。
それらすべてを会計して、店を出ようとした所でふと小さなランプに目を止めた。 ]