……でもね、 仮にも一国の脅威になったボクを、 南の国はきっと生かしてはおかない。 ―― だから。 侵攻の最中にボクが命を落としても 決して取沙汰してはいけないよ。 きみが今後、するべきはそれだけだ。 ラメールを守る為に出来ることも、それだけだ。 どうかきみはこの国《きみ》を守る為に生きて欲しい。[ 全てを話し終えれば、 ローレルは窓の外へ視線を遣る。 雨に紛れて遠く遠く 幾百の馬蹄が地を蹴る音が聞こえた ――――… 気がした。 ]