[どれだけ経ったか、自分でも定かではない時の後。城に仕える影を呼び寄せ、静寂を保ったままの息子の身体を託す] ――……お願い。 何処か、この城の中で一番安全そうな所へ。[戦場と化した城に、安全と呼べる場所はなさそうだが、細く頼りない腕の中よりずっとましの筈だ。癒えぬ傷から流れ続ける血は、魔力の痕を色濃く垂れ流すかも知れない*]