何故、南の国に…と思わないでもありません。
ラメールは北と南を他の国に挟まれた国家。
北に国を売ることも出来たはず。…それを。
[ 態々何故――。
そう言わずとも伝わっただろうか。
北の国と南の国、
双方の相打ちを狙う謀の可能性もあると。 ]
油断は…されないことです。
自国が滅ぼされることに
憂慮を覚えぬ人間などそうそう存在しない。
軽はずみな取引は何れ貴方の背を刺しますよ。
[ くれぐれもご注意を、と釘を刺す。
浅はかに侵略を始められては困るのだ、
南の国には"約束">>24を守ってもらわなければ。
心中での己の謀は深く深くに仕舞ったまま
絵描きの娘は一礼をしてその場を去ったのだった。* ]