……ええ、それでしたら、ぼくも聞きました。
選ばなければならない、というのも、理解しています。
[静かな口調でそう返した後、一歩、後ろに下がる。
亜麻色は、前後に位置する二人の間を行き来して]
だから、そのために、ひとつ確認したいんですけれど。
……安置室で、何をなさっておられたのですか?
[問いたいのは、血の足跡のついた理由]
何故……血の跡を残すようなことになっていたのか。
[昨夜聞こえた獣の声は、そう遠くない場所から響いていたようにも思えた。
場所的には、安置室かその近くか──そんな予想が、思考を大きく偏らせて。*]