そんな人間が、自分の命に価値を見いだせるはずがない。
殺人鬼なんていう存在でさえも、そこに何らかの感情が含まれているのであれば本当の意味で慣れたとは言えないのだろうさ。戦場で戦う兵もまた然り――或いは、“適応”や“順応”なんて言葉を使うのが適当かもしれない。
だから、この世に本当の意味で人殺しに“慣れた”人間なんて殆どいないのだろうね。そう考えると、余計なことを呟いたのかもしれない。成ろうとして成れるものじゃないから。
[最後に、「まぁ、言葉遊びみたいなものかもね。人から聞いた話だから、多少は勝手な解釈が含まれていたりするかもしれないし、否定とかされても反論に困るのだけれども」と付け加えたのだった。]