― 回想:王の間に通ずる廊下にて ―
[此方の私室から王の間に通ずる廊下がある。
その廊下を歩きながら、南の視察に向かおうと準備を進め歩いていたら、一人の金髪の青年と擦れ違う>>28。
此方は見覚えの有る青年、諸外国に通ずる間者の一人だった筈、と記憶しているがはてさて。
何処か皮肉めいて挑戦的な、悪意が込められてそうな笑みと言葉を投げかける様子には、にぃと笑みを浮かべ。]
そうなる事が父上のお望みだ。
[そのまま振り返りもせず、南の視察へ赴こう。
皮肉を込められながら備えられた黄色の風花の存在に気付かず、小さな花弁は此方を掠め、風に乗ったまま何処かへ飛んで行ってしまった*]