[どうやら相手は飢えているらしい。近づいてはいけない、とローレルに警告しようとしたところで、ぞくりと背筋に悪寒が走った。めまいがして足元が不意に揺らぐ。セルウィンが掛かったのは、もしかしてこれだろうか。そうは思えど抵抗する術もなく、身体と心とが闇に呑まれた。その場にいた他のものたちの眼からは、不意に消え去ったように映ったことだろう。]