― 発見前 村内 ―
然し、随分と荒れ放題になったものだな。
土は泥々でうっかり靴を汚しそうだし、綺麗な花弁は見果てぬお空の彼方よ。
[台風一過。昨日村を訪れた時と比べ、無惨に剥がれた花飾りの様相が却って哀愁を感じさせていた。
隣では、この辟易しそうな惨状に、フリーデルの表情が翳りを浮かべている>>16]
これをまた用意しなおすのは随分と骨が折れそうだな。
何にせよ、まずは橋が元通りに直らなければお話にはならないんだろうが。
[だが、村祭りの飾り等で、本当に残念がれる様な日常が今であると云うのは、果たして悪い物ではない。
もし手が必要なら、少し位なら、飾り直しにも力を貸してやるのも偶にはいいか。
そう考えた時だ。明らかに不自然な破壊のされ方をした、民家の扉に行き当たったのは]