[己の切っ先は彼の身に触れたか。
それを確認する前に水が踊った。>>40
体内巡る風精が騒ぎ、危険信号を放つ。
強大な力に怯えるのではない。
根源を同じくする四属だからこそ、呼応するのだ。]
―――ッ!
[息を飲んで、剣を握る左を咄嗟に防御に回す。
己の身体を護るように構えても、反応がどうしても遅れる。
回避行動も取れぬほど深い場所に居た為、
氷龍に押し出される形で、浴室の壁に叩きつけられた。
空気を震わせ、振動が痺れるように走る。
―――ゴォオン、と騒音が溢れ。
直前で薄い風の障壁を張ったものの、衝撃を受けた身は、
背骨の軋む音を聞きながら、ズル、と壁伝いに膝を着いた。]