[しばらくの間はそのまま転がっていたものの、いつまでもそうしているわけにも行かない。そう、思い定めて起き上った所で部屋のドアがノックされた。どうぞ、という声に応じて入ってきたのは、到着時に顔を合わせた里の長] あー……はい、おかげさまで。[疲れはとれましたかな、という問いに、苦笑交じりに頷きを返す。深夜の脱出の後、ほとんど休みなしでまるまる一昼夜、魔法利用の強行軍での移動。どんなに卓越した術者でも疲れ果てますよ、と諭すような口調で言われて、何も返す事が出来なかった]