パン屋 オットー

[いつも友人と会うときに認めている手紙を懐に仕舞えば、アンティークーー彼にとっては現役だーーの懐中時計を取り出す。
予定日時であることを確認すれば、可愛らしいフォルムの船へ足を向ける。

だいぶ短命種の時間間隔に慣れては来たが、うっかりすると集合時間を過ぎてしまうことも多い。
遅刻対策のために2〜3週間前と少し早めにマザー・テラへと足を運び、今に至る。
短命種の律儀で正確なところは非常に素晴らしいと思う反面、面倒くさいと思ってしまう。
参加できなかったイベント等数知れず。気を張ってないとまた参加する前に終わってしまう。
せめて誤差2〜3日ぐらいは許してほしいというのが切実な願いだ。
同時に、叶わない願いだろうと言うことも重々承知しているので、口にすることもない。]