[死に際にほんの少しだけ存在していた憎しみと恨みは、代償として最大限に増幅されて、少女人形の中へと移った。そのときの契約者のかわりに。][今しがた死んだ自分を生き返らせて、少年を代償で殺す。“リュカ”となった少女は10年間、契約者を目指しながら復讐の念を育ててきた。][その性質は、ディアボロスにとても近いもの。][けれど、]『(――こんな姿、お姉ちゃんに見られたくはないな……)』[微かに残った情、家族への想いが、彼女を完全な悪霊にすることを踏み止まらせていた*]