― オプティモ ―[蒼の彼岸を駆けだした風は、此岸の器へ戻ったものの。未だ、その意識は眠りの淵に。ゆらり漂い、彷徨う所に聞こえたのは、名を呼ぶ声。>>53] …………。[起きなさい、と声がする。>>54知ってるけれど、久しぶりに聞いた気がする、声。ふわ、と包み込むのは、柔らかな風の感触で。それに惹かれるように、ゆっくり、目を開けて──]