― バザール ―
んー、ここにもないか……
宝石屋よりも、雑貨屋とかのがいいのかなぁ。
[ 四件目の店から出て、大通りから一本隣の裏道に入った。
左右の建物の間に貼られたロープにまで衣類や織物が飾られているのを眺めながら、しばらく進む。
やがて見えてきた小さな店に目を止める。
石造りの壁の両脇、いたるところに鈴なりの果物のように色とりどりのランプがぶら下がっていた。
黒ずんだ金の枠に赤やピンク、紫、黄色の模様ガラスを嵌め込んだ四角い瓦灯。蝋燭を立てる燭台に覆いがついたような円形のものも、いくつか入口のテーブルに置かれている。 ]
雑貨屋か。……なんかあるかな。
[ 光に誘われる虫のようにふらっと店に足を踏み入れた。 」