― 北東の森 ―
[後退したゼファー軍は、半島北東部の森に臨時の陣営を置いた。
陣と言っても、簡易な天幕をいくつか張り、周囲に歩哨を立てただけのものだ。
ここに今、ゼファーが動かせる全兵力が集結していた。
まずは平原西側にて戦い、
ここにバルタ将軍の麾下であり船を捨てて西へ向かっていた重歩兵100名ほどが合流し、さらにクレメンス隊及び元首直属の重歩兵1200名あまりと軽歩兵150名ほどが到着した。
合わせて2150余名を数える。
拠点防衛の兵を動員すればさらに兵数が増えるが、王国側は間断なく攻撃を仕掛けることでゼファー兵の消耗を狙っていると推測されている。合流のために時間を掛ければ、逆に動ける兵は減る一方だろう。
元首はこの兵力をもって王国の野営地を攻撃し、短期決戦を目指すと決断した。]