――……ッ、…ぅ、あ、[多少の傷は、直に癒えてしまう身体。けれど聖銀で灼かれれば、極端に治りは遅くなる。瞼を閉ざしたままの息子の唇を、痺れ出す指先で抉じ開けて。その唇に、灼けた傷口に。少しでも多く、長く、身の内へと血を注ぎ込む。己の血に、癒しの力などない。在るのはただ縛りつける力だけ。同じ血の流れる彼になら、魔物の生に繋ぎ留めるだけの力となるだろうか。人間の身体を吸血鬼に変じた時とは訳が違うから、効果が及ぶかは解らなかったが]