― 平原南 ―[追撃はなく、互いに一歩下がる形>>47。緊張に短く呼吸を繰り返す。と、呼吸の合間に耳馴染みのある口調が耳に飛び込んできた] 、あの時って。[恐らくは、カレルがカナンを助けた十数年前のことだろう。あの時は自分も幼く、聞きたいことを聞きまくっていたものだから、カナンがカーマルグを見て何を思ったかなど聞きもしていなかった。今は、彼の考えを知りたくて言葉に耳を傾ける]