――まあ、いい。こんなときだからね。
[ひとつ、カフェインくさい溜息を吐いて]
カレルくんからどこまで聞いているかは知らないが、私は生物学者でね。
恋天使だの死神だのは専門外だが、
ガルーについてなら、少しは役に立てるかもと思ったのだよ。
[指先でとんとんとテーブルを突きつつ、言葉を繋ぐ]
どうしてガルー種は、かれらが寄生した人狼は、脅威なのか。
獣じみた力を発揮するから? 凶暴性? 知性を持つから?
いやいや、違う――彼らが脅威とされているのは。
ガルーに寄生された人間を、それと見分ける方法がなかったからだ。
[注意していれば、男の言葉が過去形であることに気付いただろうか]