[直後。
アイリの大地の息吹纏う身が、一瞬で肉薄しその拳が打ち込まれる]
がっ!
[見えなかった。
そして今も、同時に何発打たれたかもわからないほど、容赦ない連撃がこちらの身に打ち込まれている。
大地の魔力が最低限の防御を発揮するが、それでも絶え間ない攻撃が男の動きを止める]
(速えーよ……やっぱり……!)
[門前町にいる間、幾度かアイリに稽古をつけてもらったが、結局一勝すら出来なかったことを思い出す。
当時は力量の差は当然のものとして、それでも根性で食らいつけばよしとしていたけれど]