[異界から召喚された風の勇者であるセイジの人となりを観察すれば、わかりやすいかも知れない。
止まらず、曲がらず、まっすぐ前へ進む。
闇の中に放り込まれたら、ひとまずは前へと足を踏み出していく。
例え失敗を侵したとしても、その失敗を糧にして、また進んでいく。
疾風の精霊に愛される勇者らしい気質だ。
その辺りの人間性は、前向きな性格や、召喚の際の様子でよく伝わる。
セイジが失敗を恐れず前進する主義なら、アイルリートの場合は逆に完璧主義のきらいがある。
堅く留まる、完璧と安全を好む、未熟や不完全には不満を覚える。
もしトオルと立場が逆で、フラクシヌスに召喚されたとすれば、確実にトオルよりも恐ろしくごねた事は想像に難くなかろうし。
現に今も未熟な勇者達に対して、アイルリート自身の実力はともかくとして、難色を見せてるのはよく知れてただろう、特にトオルには]