高潔な魂も難儀だね。
身体すらも、君を裏切っていくよ。
[声を吐くたびに、彼の唇を接吻が擽る。
執拗に重ねた口唇は、彼の声を何より先に喉に迎えたがった。
彼の装いを内側から盛り上げ、波を打たす泥は奔放だ。
脇から巡り、腰に巻き付き、脚の付け根を確かめる。
緩やかな捕縛は、彼の全身を抱擁するに似て。]
さて、神の作品に私なりの趣向を凝らそう。
無用な長物?
いやいや、私を愉しませる為には必要なものだ。
[ぞろろと泥が腹部を遡り、薄く痩せては彼の胸板を覆った。
彼に伝えるは、己が内で灯した悦なる体温。
侵食は緩やか、彼を天から奪った落陽めく熱量。]