[ペンダントの中身は知る由もない。
いくら見つめたとて中身を知ることが出来るはずもなく。
ほんの僅か、彼の言葉が途切れたことが気になった。>>53
"他の"……?
強調されたその言葉と向けられた笑みに戸惑い、揺らぐ。
ただ、機密に関する話は確かに同意できる部分であり、
情はないと言い切られたのならば、任務の一貫なのだろうと懐に収めることにした。
…今は、の話だが。
閉じられた扉からソマリへと視線を移す。
その眼差しはいつになく、真剣なもの。]
……開始して五分。
本当にいいんですね?
[身じろぐ前に、確認を一つ。
彼が頷きを返したなら、静かに動き出す。
目指すは、鍵が掛けられなかった扉へ――。]