[らなかった]
あなたのことは知っていると言ったでしょう――『雷針』
[避雷針と雷神を掛けたのであろう二つ名を口にする。
少女が手にする鎖の先の鎌は、今は石造りの家の壁に突き刺さっていた]
そう、雷を使うってこともね。
[電流を通す武器であることを逆手に取り、電流を逃がすことで攻撃を回避したのだ。
起死回生の一手も不発に終わり、最後まで剣を離さず正々堂々戦おうとした男は、ついに壁に強か体をぶつけて落下した]
これで終わりね。
じゃ、勝った方が正義ってことで、これはもらってくわね。
[男の手からひらりと落ちた『ジャスティス』のカードを拾い上げる。
観念したように動きを止めた男の姿は、徐々に薄らぎ消えてしまった]