― 『世界軸』中層・儀式の間 ―
……ああ。
来たね。
[絆石を持ち、次代の『柱』となるべき者たち。
その気配が『世界軸』へと近づくと、神子の口元に自然、笑みが浮かんだ]
さて、それでは彼らを出迎えなくてはね。
マリア、コスモ。
ぼくは支度をしてくるから、代わりに門での出迎えを頼むよ。
呼ばれた者が来たら、広間に通すように、守衛殿に伝えておくれ。
[楽し気な呼びかけに応じ、薄紫と薄碧の仔竜たちはきゅう、きゃう、と短く鳴いてぱたぱたと飛び立って行く。
その姿が見えなくなると、神子は柔らかな風を周囲に揺らめかせつつ、儀式の間を後にした]