兄者ァ、居やしたぜ![マーティンが赤き囁きで呼びかけ、視線を其方に向ける。>>43 老将は眉間に皺を寄せ、険しい顔を敵へと送っていた。馬を走らせるその後ろ姿は、執念の炎を宿しているようにも見えた。] っと、ここから先は儂が相手だ。[辺境伯を護ろうと追いかける敵兵を遮り、巨躯と斧ひとつで立ち塞がる。大将の首は、きっと仲間たちが討ってくれるだろう、と。]