[意識の無い者を庇いながらの行軍であったから、
砦を出てからは随分と時間が経っている。
ソマリアランがペンホールズに着く頃には、
ちょうどイングリッドの伝書鷹も彼に追いつくだろうと踏んで。]
[手紙の内容は簡潔だ。
ソマリアードにかけられた呪を解くことができそうな人物を見つけたということ。
すぐにそちらへと向かわせたいが、足が確保できずにいること。
可能なら、指定の場所へ迎えに来て欲しいということ…。]
[果たして、ソマリアランはその手紙を読んで何を思うだろうか。
あまり良い別れ方をしなかったかつての恋人を思い出して、小さく溜息を吐く。]