― (回想)5年前の卒業式終了後・校庭 ―[証書を手にした8年生が三々五々に集まっており、別れを惜しむ後輩たちが各々囲んでいる毎年の風景。 春の陽光の中で輝く金砂色の長髪をなびかせた彼は、その中でもひときわ多くの(おそらく東寮生と思われる)後輩に囲まれ、応対に忙しそうである。 しばらく、その様子を眺めており、人の列が途切れたところで、軽く右手を挙げてみた。]よっ。……すげーなぁ、人気者で。