……は、は。
よくわかった、分かったよ、じいさん、
ひとつ戻っても駄目、ふたつ戻ると足りない、
――始まった時点でおれにはだめなんだ。駄目だった。
[だからあれだけの悔恨を綴っても、“何にもならない“
学ぼうとしても、出来る事がない。己には知りようもない、最初の犠牲を止めなければいけないから。遡れたらと願い、無意味な仮定をいくつもいくつも積み上げて、それしか出来ずに――一生を囚われてもまだ足りない]
[ずるずると座り込み、よく分かったと、もう一度宙に囁いて。
両の眼を、そっと掌で塞いだ]*