…そうだったな。
どっちも負けちゃ、寮の伝統と沽券にかかわる。
[すなわち今は国だと、彼も正確に把握しての言葉だろう。
間諜と、そこからの情報。
カサンドラは何か口にしたであろうか。
彼女が公国を裏切っていたとは思わない───、いや。
自分を、自分たちを裏切っていたとは思わない。
彼女は今も、旧友の顔を見せてくれていた。
…ただ。或いは彼女は、
ジェフロイにも同じく接したのではなかったか。
カサンドラが退学になった折。
自分も含めて、皆で随分と心配をしていたものだ。
けど──…何より彼女を気にかけたのは、
間違いなくこの男であったと記憶している]