………っ!!
[ 指についた血が見えて、はっと我に返る。
瞬間、この上無い悪寒がこの身を襲う。
呼吸が乱れる、息苦しい。
──いや、心が、胸の方が苦しい。
自分がこの瞬間何をしようとしたのか。
自覚と無自覚の狭間で分かってしまったのだから。]
( 違う、僕は人間だ……!
ガルーなんかには……! )
冷や汗を大量に流し、寸での所で意識を取り戻す。
正面を向き、まず目に入ったのは赤い花弁と砕かれた壁>>13。
そして、花弁の上に残る足跡。
どれも手掛かりになるのだろうか、と首を傾げるが。]
( 何故、このような場所に花弁が……?)
[ 僕はまだ若き船長の能力を知らない。
だが、この地に花が残っている。その不釣り合いさに
聊かの違和感を覚え、朧気ながらに記憶する。]