― 市街地痕(F7) ―[―――ふと、風の向きが変わり。ぬるい膜に切り込むように、ひんやりとした風が流れてきた。手綱を掴む左手が、無意識に力を込め、馬の脚が止まる] …………、……。[これ以上北上するか、否か。迷う。調査と同時に補給路を探ってきていたが、未だ突き止められていない。前進拠点に近づき、動きを伺ったとして。無事に情報を持って戻れるかは怪しかった]