→ 食堂 ―
[ジムゾンとの約束に気を良くしていた男は、扉を開いた途端ぎょっとして、文字通り背後に一歩下がった。
顔に巻かれた包帯を取ったシモンの左目が露出している>>37。朝っぱらから飲酒したせいで、]
なっ、お前、ほう、ほうた、い?!どっ、どして!ふ、ふり、でる、いる?!
[脳みそが働かず、言語が崩壊する。しかも異質な左目は、以前見たときと同じく、何かを探すように動き回ったあと、発見した自分を凝視し始めた。]
きゃあ!この目、めっちゃ動き回ってるぞ?
[悲鳴を上げたあとで、俺この左目とは初対面じゃないじゃんと思い出す。しかし人間の感覚が優勢なときに会うとびっくりするのだと気付いた男は、この言動を貫くことにした。
それにシモンが包帯を取った意図が、朝食を要求された>>38ことで理解できたし。]
なんだか獲物が足りないって言われているような気がする。
[実際に探しているのは仲間なのだが、それ以外の理由で尤もらしいものをでっち上げる。一度敵対陣営であるとなったら、徹底的に演じるのが礼儀だと思っているから。]