[皮肉の色が強い言葉は続いてくる>>48。
此方がした事は、何にも罪が無い者を巻き込んで破滅しようとしているのだ。
糾弾してる監査局長だけに限らず、大事な者が戦火に巻き込まれるとすれば怒りの感情を持つのは自然な事。
只々翠の瞳を細め、批判している青年を眺めてか、一度だけ瞬きをする。]
それだった方が、まだ幸せかも知れないな?
[此方が甘言を受け唆せて今回の騒動を起こした、というならば、まだ“相手の所為”にする事は出来るのだ。
だが実際は此方から甘言し、母国を売って破滅に導こうとしたのだ。
その事実を直接的には言わないが、この言葉で大凡の意味を悟る事は出来よう。
悪意のある様な微笑を浮かべて、事実を突き付ければどんな反応を見せるのやら。
黒い笑みを見せてもすぐに崩れ、翠の瞳は豪華なカーペットを敷かれている赤いビロードの床を眺め。
何も話すことは無く、水を飲もうとテーブルへ向かいグラスを手にする。
デカンタに満たされた水、眠りながら死に至らしめる無味無臭の毒が混ぜられたそれを、グラス半分まで注ぎ口に含ませ、体の中へと流し込んだ*]