[膝に抱き上げた息子の顔を、そっと覗き込み] ――…ごめんなさい、シメオン。[同じ事を繰り返す我儘への謝罪を、一度だけ音に変え。黒衣の左袖を捲り、不自然なまでに白く透ける肌を外気に曝す。内肘に彼の友人が遺した銀のナイフを宛がい、一息に手首まで引き裂いた]