この、くらい、で。
止まって、たまるかあああああっ!!!!!
[叫びと共に両腕を左右に振り切り、目の前に迫っていた一際巨大な火球を斬り払う。
断ち切られて散る焔色、重ねて舞うは疾風を象徴する翡翠の煌めき。
息を切らし、魔王を見やる瞳には、後には引かぬ、という意思が宿る]
……俺らは、ここと縁もゆかりもねぇ通りすがりだけど。
ここまで踏み込んだら、途中で投げ出すわけにゃいかねぇんだよな……!
[何かに呼ばれたのだとしたら、その何かはこの状況を憂えているのだろうから、と。
論拠はその程度だけれど、でも、その程度を見過ごせないのは生来気質]
だか、ら。