油を撒け。
[ 男の命により、人気の無くなった陣営内のあちこちに、放置された天幕や、燃えやすい木箱が積み上げられて、たっぷりの油が撒かれていく。撤退が完了した後、魔王軍の追撃を少しでも遅らせるための仕掛けだ。
火が出るのは、全軍が退いた後となるように前に傭兵が放火に使おうとした、ろうそく仕掛けの時限装置を応用することになっている。
利用出来るものはなんでも利用するのが今の指揮官である皇太子の方針であり…レオヴィル軍の方針でもあった。
避難民の中、或いは、仕掛けの役を担う兵士の中に…もしかしたら人ならざるヒトガタもまぎれていたかもしれないが>>48それを知る者は、まだ居ない ]