人狼物語−薔薇の下国

541 グラムワーグ・サーガ 5 〜呪歌、今まさに絶えんとする時


魔法学園生 リヒャルト

 それ、じゃ、俺と一緒に来た連中も、頼みます。
 それ、と、この辺りがどうなってるかの、状況も、わかる限りでいいから、教えて。

[この一年の間の都市の外の状況は、伝え聞きが大半ではっきりとした事はわからない。
それ故の願いは、柔らかな苦笑と首を横に振る仕種によって遮られた]

 「お話しするのはかまいませんが……その前に、あなた方に必要なものを取っていただきたい」

 必要なもの……?

 「休息、ですよ」

[にっこり。
そんな、書き文字の浮かびそうな笑顔と共に、首筋に衝撃が走った。
誰かに一発打ち込まれた、と気づく余裕もないまま、意識は暗転して――]

(53) 2020/11/15(Sun) 12:48:50

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