[突然の乱入者は、同胞に何を思わせたか。
いずれにせよ、奏者がそちらに向けるのは──愉しげとしか言えぬ笑み、ひとつ]
こうなったモノは、止めて上げるのが一番だよ?
コトバを交わす力などない、文字通り、本能赴くがままなのだから。
[笑み帯びた声音でそう、告げて。
力を集中させ、生み出した真白の刃持つ大鎌で、襲い掛かる『異形獣』を、文字通り両断する。
情けも容赦も躊躇いもない一閃の後、銀の身体から水晶の如き核を抉り出し]
そして、その力を己がものとして取り込む。
……ただ、滅するのみのヒトの手にかけさせて消してしまうよりも、この方が遥かに有意義だ。
[右の手に鎌を、左の手に核をそれぞれ持ち、教え諭すように言葉を紡ぐ姿は、どのように見えたのか。
それを言葉として問うたことはないけれど。
いずれにせよ、気まぐれな猫の方からは、気に掛けるものとして位置づけられている事には変わらない。*]