…これが、びすまるく?
[彼女の目の前にあったのは、ローゼスの最新技術をつぎ込んだ"護るための艦"。その堂々たる佇まいに多くの人は驚喜したものだが――]
なんか、思ってたよりちっちゃいね。
[少女はどうしてだか、この船が"小さい"と漏らした。軍艦どころかまともな船を見るのも初めてなのに、である。
もともと軍とは縁もゆかりもないこの家族が式典に来ることになったのは、少女がテレビで聞いた"びすまるく"という言葉に反応して「どうしても行きたい」と我儘を言ったからだった。それで遥々内陸の首都からアルトマルクまで旅行に来ていた。]