[心がその 凍えるような“炎”の熱に、壊れそうになる。焼き尽くされそうな哀しみと、怒りと、傷つきと――絶望は。震える声にも、滲む翠緑にも、ありありと現れていただろう。私に残る、一つ目の月――… “ほんとう”の心の欠片。残り僅かなそれが、パキリと割れて砕けてしまいそうだった。その様子を、長年その瞬間を待ちわびた目の前の獣は、どう思っただろう。]